“ないのにある、あるのにない。 ”
»ある日夫が失踪し、やがて新興宗教を信仰し始めた妻、息子は九州へ就職して一人となり、パートをしつつ日々庭の手入れと祈りを欠かさなかったが、夫が突然帰ってきて、自分のがん治療の費用を助けて欲しいと言われる。
はい、やはりあの荻上直子監督でこのタイトルは気になりまくる訳で…これまでとは一転、時にホラー感もありつつのダークなエンタメを流してくれてます。
うん、あの大震災でのある水からの不安から始めて、様々な水のパターンを効果的に使い、苦々しい大小の波紋を見せていきます。
そう、何だかんだで唯一逃げてない彼女を゙不快にさせるエピソードの数々に、拠り所を求める人間の弱さや偏見の嫌らしさ等をブラックに織り込むも…練りに練った脚本に演出でもあり、見心地は悪くなくて。
そして、あの波紋を呼ぶようなラスト…それをやりたかったのかとツッコミ入れたくもなりましたが、彼女は吹っ切れたのだろうかw
なお、俳優陣では、まずは筒井真理子…もう流石の域に入ってますね。
光石研…今回はダメおやじを見事に演じてます。
磯村勇斗…この面々の中でもきっちり妙な存在感を披露。
木野花…いい仕事してます。
さらには、キムラ緑子を筆頭に、安藤玉恵に江口のりこに平岩紙に、津田絵理奈に柄本明らの芸達者の実力派たちがきっちりサポートし…ムロツヨシは反則でしたけど。