このレビューはネタバレを含みます
いわゆるリアリティラインがどこに設定されているのかがいまいちわからなかった。きみが学校辞めた理由やら、ルイがあっさり男子禁制のミッションスクール主催のステージに立つことやらがやり過ごされてしまっている。個人的にはまあええかで素通りできる範疇ではあったし、その辺もだもだやられてもという趣ではあるのだが、深入りし合わないというのもリアルと言えばリアルなのかも。
トツ子の特性である他人の色が見えることによるストラグルライフが展開されるのかと思いきやそうでもなかった。当人は割とうまく折り合いをつけている。ならば、きみが学校を辞めたことが取り沙汰されるのかと思いきや、これもそうでもない。当人的には重大なことだが、他者からはそれほど咎められることなく物語は続く。良くも悪くも肩透かしを食らう。おかげで鑑賞している側のストレスは少ないかもしれない。つるつるした物語。
演奏シーンと最後のダンスシーンは予定調和的ながらもしっかり良かった。どこがポイントかと言われたら、そこを見る映画だと思う。水金地火木土天アーメンが楽曲として出色の出来。あと、きみからルイへの好意が仄かに見え隠れしていて勝手に盛り上がってしまった。