しめさば

きみの色のしめさばのネタバレレビュー・内容・結末

きみの色(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

どことなく実写映画っぽい雰囲気。
終始表層的な部分をなぞっているようにも感じるが、音楽を始めた時のワクワク感や恋をした時の衝撃など普遍的で共感する場面も多いためしっかりと楽しめた不思議な作品。

表層的(掴みどころのない感じ?)と感じた理由としては各登場人物の掘り下げがあまりされていなかった(もちろん自分が汲み取れていないだけの可能性も十分ある)から。
きみが祖母と暮らしている理由、きみが学校を辞めるまでに至った経緯、ミッションスクールに通学してる理由等、説明されないことが多すぎるように感じたがそこを過剰に描写しない点がこの映画の強みでもあるのだと思う。
登場人物が抱える問題に踏み込みすぎず、あえて深掘りしない方法で物語を削り出して作っている手法は新鮮に感じる。

ミスチルの主題歌の後にホームビデオ風の映像とバンドの曲で締めくくられているのはとても良かった。

好きなとこ
①きみがメトロノームに合わせてそっけない音で運指の練習を始めるシーン
昔の自分を見ている様でぐっときた。
指を動かして音を鳴らす。
それだけで楽しかったあの頃を思い出した。

②聖書の引用
「変えることのできないものについて、それを受け入れるだけの心の平穏をお与えください」

③ライブ
New Orderの『Blue Monday』を彷彿とさせる印象的なキックの連打で始まる『反省文〜』、厳かで神聖な音が心地よい『あるく』、ノリが良いギターリフと歌メロが特徴的な『水金地火木〜』、どれも良かった。
しめさば

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