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きみの色のAyaxのレビュー・感想・評価

きみの色(2024年製作の映画)
3.6
バンドを結成した後くらいから、興味が持続せずちょこちょこ眠くなってしまった。
観た直後は、登場人物たちの悩みや秘密の部分が大人の自分からすると些細すぎると思ったんだけど、でも、子供の時って学校が世界の全てで今考えるとめちゃくちゃちっぽけなことも一大事だったかもなと思い返した。大人になっちまったことを実感。いろんなことを経て、どんな時でも「まあ、何とかなるわ」と図太くなってしまった自分にはこの繊細な年頃の子たちの心の機微が刺さらなかったけど、同年代ならすごく刺さるかもしれないと思った。
クライマックスが学園祭のライブというのは、映画やドラマではド定番で文字通り最高潮。バンド組んだら学園祭でライブは絶対。山田尚子監督作品だと「けいおん!」もそうかな(好きだけどほとんど覚えてなくてごめんなさい)。私的には「シング・ストリート」やシスターという意味で「天使にラブソングを」のクライマックスの高揚感にも近かった。「涼宮ハルヒの憂鬱」も学園祭のライブが有名だよねなどなど。
バンド未経験者がいきなりオリジナル、しかもそれがかなりのハイクオリティで無いだろって思われちゃいそうだけど、観てる間はそれを感じさせない楽曲の強さ。特に1曲目と3曲目はアレンジがプロみたい(プロが作ってるんだけども)。チャットモンチーとかサカナクションのような曲調。中でも「水金地火木土天アーメン」の歌詞とメロディーの頭からの離なさなかなかすごい。作詞はすべて山田尚子監督がによるものらしい。アニメを制作する人がこんな作詞の才能もあるのかよと感心してしまった。舌を巻く多才ぶり。
雑な感じで生きてる私にはそんなに刺さらなかったけど、丁寧に繊細に生きてる人には(心からイヤミではなく)何か届いてるのではないかと思う。
監督が光を描きたかったと言っていて、カラフルで眩しくて透け感のある美しい(ステンドグラスみたいな!)アニメだった。
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