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せかいのおきくのQIのレビュー・感想・評価

せかいのおきく(2023年製作の映画)
4.0
“「役」を「割る」と書いて「役割」”

クロキスト必修科目✍️w

汚穢屋(おわいや)

人糞を汲み上げ買い取り、郊外の農家へ売ることで生計をたてている職業

舞台はそんなリサイクル職業が多く存在し当時世界最先端のサーキュラーエコノミー都市だった江戸の長屋

汚穢屋の青年、矢亮(池松壮亮)と中次(寛一郎)、長屋に住む元武家の娘おきく(黒木華)の3人が「せかい」を感じながら生き方を変えていく青春物語

そして扱われている職業が職業だけに全編汚物のオンパレード😅
(『バビロン』の比じゃないw)

ただ、そんなことも気にならなくなるくらいモノクロスタンダードサイズで描かれる映像が素晴らしい

それはまるで墨絵の美しさ

そこに映し出されるのは3人の青春物語、長屋の人々の人情だけでなく移りゆく日本の四季

章立てで進む章終わりのカラー映像も効果的でとても印象的
(一部思わず鼻を押さえる章あり🫢w)

佐藤浩市
石橋蓮司
真木蔵人

3人の脇を固める俳優たちの演技とその存在感はさすがの一言

池松壮亮

『シン・仮面ライダー』の抑えめの演技が記憶に新しいですが、今回はそれとは真逆

あらためて役者としての演技幅の広さを感じました

寛一郎

まだ荒削りな部分と初々しさはあるものの、将来への期待値大

特に親子共演となったシーンは佐藤浩市のベテラン力も相まってお話の重要な伏線としてとても見応えあり

そしてそしてもちろん黒木華!

前半の武家の娘としての勝ち気っぷり

後半、あることがきっかけで声を失ってから、その表情と仕草だけで見せる彼女の素晴らしい演技もタップリと堪能

着物姿の所作もとても美しく、やっぱり彼女は時代物が似合うなぁとあらためて実感

さらにクロキストが身悶えするシーンのおまけ付き🤤w

阪本監督、ありがとう御座いました🙇

⚠️これから鑑賞される方へのご注意

食べ物、飲み物は買わないほうがいいと思います
おそらく飲み物でさえ口に運ぶのをためらうハズ😅

p.s.
GW恒例コナンの新作公開、さらにマリオの公開もGWにぶつけごった返す映画館
映画館に人が戻ってくることはとても喜ばしいことですが、相変わらずのスクリーン占拠問題
本作のような地味な良作が埋もれないことを願うばかり
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