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ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版のQIのレビュー・感想・評価

3.7
“1900年ハンギング・ロックの旅”

ずっと気になっていて観たかった作品

ピクニックで訪れたハンギング・ロックで寄宿制女子学校の生徒3人と女教師1人がまるで神隠しのように失踪した事件を描いた作品

一見、事件の謎を追いかけるミステリーと思いきや、最後までその真相が明かされることはなく不穏な雰囲気のまま物語は終わり、読後感としては完全にホラー

その恐怖の対象はモノリスのようにそびえ立つハンギング・ロック

そこでは事故ではない何か特別なことが起きてもおかしくないと感じさせるほど、その存在感と威圧感には畏怖の念さえおぼえます

そんな恐怖の対象を描きながら、その映像の美しさは圧倒的!

そして失踪した女子生徒の1人を演じるアン=ルイーズ・ランバートの美しさは物語の中でも“ボッティチェリの天使”と形容されるほどもっと圧倒的!!!w

さらに彼女が演じるミランダという女子生徒はどこか特別な力をもった魅力的な、かつリーダー的存在として描かれているのがとても印象的

もしかしたら彼女の特別な力と自然の特別な力がシンクロした結果、この事件が起きてしまったような気もします

抑圧される女性たちの開放を描いていると思わせるメタファーも満載な本作ですが、そのようなテーマをもった作品が数ある中、本作が今でもカルト的人気を維持しているのは、美術や衣装を含めたその映像の美しさはもちろん、アン=ルイーズ・ランバートの神がかった美しさと神秘性にあるのかもしれません

p.s.
この作品の舞台となったオーストラリア・ビクトリア州からは少々離れていますが、以前、アボリジニに変換前のエアーズロックに登ったことがあります⛰️

そこで感じたのはグランドキャニオンで感じた地球規模での自然の雄大さではなく、そこでしか感じられないような、どこか異空間に来てしまったような異様な雰囲気😨

神隠しにあわなくてヨカッタ😅

まあ、自分にはそれとシンクロできるような特別な力がないということだと思いますが…w
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