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658km、陽子の旅のmuuumのレビュー・感想・評価

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)
3.7
終始、なんて苦しいんだろうと思いました

陽子というコミュニケーションが苦手な
女性が、父の死に向き合い、帰省するための
ヒッチハイク旅から
自分に少しずつ自信をもって、
前に向かっていく物語です

苦しさの理由は、
なにひとつ自分のことを伝えられない
陽子のこの人格がすべてだと思います
モヤモヤ、イライラ…
なんとかなりそうなのに何一つ進まず、
一番遠回りともいえる道で、
なんとか辿り着く道

自分とは全く違う陽子という人格を
みて、世の中に生きづらさを感じて
いる誰かを想像するという、
体験を改めてできました

他人ではなく、本人が一番
モヤモヤ、イライラ、、
を感じているのかもしれないと思いました

SAという場所を舞台にした物語って
あまりないなと思い、そこは新鮮だった
と思います

そこでの在り方も、
「え、こんなところに降ろす?」
「残酷すぎる」
みたいなことあるし、
優しくてありがたいと思うこともある

だけど陽子を見れば分かることですが
人の優しさに触れてこそ、
安心できた分をひとに分かちあえられる

そう考えると、人に優しくすることは
自分も豊かにしてくれるんじゃないかと
改めて思います

あと、まあ個人的な感想ですが
菊地凛子さんのセリフって、
いつもとても聞きづらいなと思います
役がらもあるんでしょうが

竹原ピストルさんの普通のお父さん感は
最高でしたね
オダジョー氏の役割ななんぞや、
と思いながら、おそらく
青森に近づくにつれて
死に向かっていったのかな、と
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