Filmarksの試写会に当選したのに、急な仕事で欠席に…。ずっと気になっていたので、ようやく観られてよかったです。
ヒッチハイクなんて、乗せてもらったことも乗せてあげたこともありませんが、やっぱり会話って普通にあるものなんでしょう。陽子ほどにしゃべらなかったり、返事すらなかったり(ガン無視)すれば、「なんかヤバそう」って思われるはずなのに、乗せてくれた人達は(1人を除いて)みんないい人ばかりでラッキーでした。
陽子が旅する東北地方は、自分が大学生のときからずっと過ごしてきた地域なので、福島→宮城→岩手→青森というルートは、現在地をはっきり描くシーンはありませんが、なんとなくわかるようなさりげない描写がうれしかったです。
オダギリジョーさんは相変わらず“おいしい”役柄ですが、最近はこういう個性的なキャラクターばかりで、そろそろ等身大の登場人物を演じているところも観てみたいです。菊地凛子さんは、最後に出演作を観たのが意外と2013年の「パシフィック・リム」以来でした。コミュ障ぶりが徹底しているし、序盤のPC動画で笑うところ以外は、ニコリともしない表情が印象的です。葛巻からの車内での独白は、津軽弁の独特なイントネーションを完璧にこなしています。
物語はタイトルのまんま、ひたすら陽子の旅を追走するだけで、なんの仕掛けもありませんが、ゆったりした(陽子の言動はじれったい)展開で彼女の心の寛解と再生を描いた奥深い作品でした。