タイトルどおり思春期の少年の性と恋のめざめを美しくも残酷に表したロシアの油絵調のアニメーション。アレクサンドル・ペトロフは、ノルシュテインの弟子。
良家のお坊っちゃまが隣家の年上の女性と、同い年の住み込みの女中さんの少女の両方に恋をするが…
からだは大人になっても心が追いつかず、ただ、妄想と欲望に振り回されていく。どこまでが少年の体験だかわからない。アニメーションは美しく、ビターな終わり方も夢の中へ。
26分の短編だが、イワン・シュメリョフの原作による文学的な内容なので、実写で長編を観たくなった。村の生活も描かれていて、登場人物がどういう背景を持っているのかも描き分けられていた。
特典映像で、CGではなく、一枚一枚ガラスに油絵で描き、撮りの繰り返しで、作画は一人で行っている。気の遠くなる作業。しかもほとんど指で直接描いていた。ジブリ配給の第一作目。
日本の大手広告代理店が出資しているロシアのスタジオで3年の歳月をかけて作られた。