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名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレインのmatchypotterのレビュー・感想・評価

4.0
『灰原哀物語』だと、、、。
それはつまり、『“俺が好きな人”の物語』ってことじゃねぇか、、、バーロー。

と言うことで、年明けからずっと観たかったが、なかなか時間が合わずに、思いが叶わずに悶々としてて、そのために会社を午後休にしたわけではないが、、、やっと観れたぜ。

灰原哀、工藤新一をコナンにしてしまった薬を開発し、組織に関わった1人の女。
彼女もまた、両親、姉を殺され、天涯孤独で自らも死を選ぼうとし、助かったものの少女になり、コナン達と過ごすことになるが組織に命を狙われる。

このドライでクールなキャラクター。
コナンたちと共に過ごす中で、子供じみたことにはやや距離を置きながら。
工藤新一からコナンになってしまい、それはそれで色々不自由で、子供であることと組織に命を狙われていると言う彼と同じ境遇という点が2人しかわからないかけがえのない絆を生む。

もうぶっちゃけ、コナンの劇場版は灰原哀を観に行っていると言っても過言ではない。
なんやかんやと少年探偵団を思い、コナンを思う。
いつもはツンツンしっぱなしでとっつきにくいが、絶対に見離さない。

でも彼女自身が“爆弾”みたいな存在だから、ここぞと言う時は、皆を守るために死をも選ばんとする過酷な運命を背負う彼女。

それをわかっているからこそ、彼女の窮地は絶対に守ろうと身を呈すコナン。

この“見た目は子供、頭脳は大人”同士の幼き相棒。もうこれは完璧。
個人的には新一と蘭よりも、コナンと哀ちゃんの方を応援したい。
ミステリアスで影があって、時に素顔を見せるその瞬間はめちゃ可愛い。完璧か。

その灰原哀が、ついにその存在を知られ、ミステリツアーの列車に乗ることが組織にバレ、追い詰められる映画。

今回は常に哀ちゃんがそのヒタヒタと迫る追っ手への恐怖にビクついてる。いつもはツンツンしてる分、その慄き方が尋常ではないので、切迫感がスゴい。

そして、“組織”が絡んでるだけあって、閉鎖的な列車の話なのに、ものすごい豪華な面々が集う。

ここでもコナンと哀ちゃんを巡り、多くの人物の思惑が錯綜する。
もちろんベースにはこの作品オリジナルの殺人事件が起きるが、その水面下でめちゃくちゃあれこれ起きる。

90分ぐらいで灰原哀の存在のおさらいをしつつ、殺人事件が起き、組織と他の思惑の中で灰原哀のピンチを描く。

スゴい筋書きの濃さ。サラッと次々にあの人この人出てくるし、キッドの布石がスゴ過ぎる。
そして、これが次の劇場版の布石的なプロローグに過ぎないって言うんだからたまげる。

だから、今回は『灰原哀物語』で、彼女ががっつり中心にはいるんだけど、逃げ惑いながら色んなことを浮き彫りにさせることがメインだから、全ての核心には至らない。コナンと哀ちゃんのコンビネーションも意外と控えめ。

それがまた良い。だからこそ、次は絶対スゴいのが来る。コナンと哀ちゃんのスゴいのが来る。それを確信できただけで観る価値はあった。

絶対に守れよ、コナン。
ミラクルキュートな哀ちゃんになんかあったらぜってぇ承知しねぇかんな、バーロー。


F:1977
M:2149
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