カナチャンネリ

君たちはどう生きるかのカナチャンネリのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿ファンとして初日に観に行ったんだという自分への芯が欲しくて今朝いちばんの回で観てきた。
宮崎駿作品の新作が観れることがもうありがたい。
普段は持ち歩かないハンカチも今日は財布より先にカバンに入れた。

宮崎駿はファンシーな地獄、鮮やかなホラーを描く天才というか。
黒くドロドロした部分をお花柄のオブラートに包むのが本当にうまいんだと改めて感じる。

冒頭は戦争のシーンから始まる。
警報が鳴ってパニックに陥る街を見て、タイトルが出た時やっぱり駿に戦争は憑き物なんだとおもって涙が出た。
タイトルと同時にハンカチで目元を拭いたのは私だけだったと思う。

しかし気がつけばあっという間に宮崎冒険ファンタジーだった。
楽しいだけじゃない、難しいし、謎だらけだし、メッセージ性が強いファンタジー。

風立ちぬからの君たちはどう生きるかは、
80代になった駿のアニメーター人生、映画監督人生の集大成だったと感じる素晴らしいものだった。

どんな映画だった?って聞かれたら、ドキュメンタリーまでこれまでの駿の人生をなぞればよくわかると言いたい。
宮さんはハイジ展のユキちゃんを毎日外に出したり、お年寄りが驚かないように車のクラクションの音を小さくしたり、そう言う人で。
お父さんの思い出を話をした宮崎駿監督が「あのときチョコレートなんか持ってなかったはずなんですよ」と言ってた。だからこそのチョコレートなんだよ。だからあのお父さんは飛行機を作ってたんだよね。

宮崎駿監督はこれまでの人生の忘れられない出来事や棘のように残ってる出来事を映画で消化して納得できる形にしようとしたんだと思う。

とてもいいものを、
初日に観させてもらった。
本当にありがたい。

インコはこわい。