このレビューはネタバレを含みます
公開日初日、朝から連続で2回見てきた。
ひと言でいうと喪失感がすごい。
大衆ウケを気にしていないように感じた。
宮崎駿さんのやりたかったこと、引退宣言、集大成、スタジオジブリ第二章へ続く作品だった。
仕事人としての「宮崎駿」という物語のエンドロールのようでもあった。
これまでの作品を連想させるシーンがいくつも盛り込まれていること、大おじさまの「自分は退いて後継を探している」という台詞。
あと、2回目で気付いたのだけど眞人が初めてお屋敷に向かう道中で出会った出兵者が助監督の名前だった。
戦場のように厳しいであろうアニメーション業界で、次世代のジブリを背負う片山一良さんに「いってこい」「ジブリという一国を任せた」という宮崎さんのメッセージだと解釈。
幾度となく長編アニメの引退宣言をしてきた宮崎さんだけど、いよいよ本当にこれで最後なんだ、と伝わる内容だった。
それゆえの喪失感。
もう新作を見れないのか、と、彼のご年齢からしたら分かっていたことだけどその現実を突きつけられて茫然としてる。
でも逆に言えば、ジブリで育って、宮崎駿の仕事をリアルタイムで追いかけられてきたこと、そしてその集大成を見届けられたこと、こんなに嬉しいことはない。
私はとりあえず見られて本当に良かったという思い。
喪失感とは言ったけど、作品は残り続けるし、また何度でも見たい。