しりたん

君たちはどう生きるかのしりたんのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
2.5
「宮崎駿監督」「スタジオ ジブリ」この文字、言葉だけで観る気になり、早速鑑賞してきました。公開初日、連休前金曜日もあってか観に行った映画館の大きい部屋がほぼ満席状態です。
さて、内容ですが、宮崎監督が好みそうな戦中が舞台。劇中、特に説明もなしにパラレルワールドへ突入し、主人公の眞人(まひと)が あれこれ奮闘するお話。ヒューマンドラマでは無く、やや擬人化したインコが襲ってきたり、炎を操る少女が眞人の事を初見から守ってくれたりと「?」が多く、自分には理解できなかった・・・。いつの日か監督が今作の事を細かく語っている映像が見たいです。
眞人の新しい家にいるおばあ様軍団だけ等身が他と合わず違和感感じます。しかし今までの宮崎監督作で登場してきた同じ顔つきっぽいが、そうではない微妙なキャラデザインが自分にとっては”宮崎監督作だな”と伝わってきて良かった。が、最近の漫 画太郎画伯が書く目の大きいばばあ風に近い顔つきだと個人的には思ってしまい、良い意味でニヤニヤしてしまった。
声優陣は登場キャラと声がどれも合っていないと感じてしまった。眞人筆頭に大体の声質が高すぎるんじゃなかろうか。相変わらず本職の声優を起用しないジブリ作品。やや棒読み感が漂っていました。これがぴったりくると確信しての宮崎監督完成許可ならば誰も文句は言うことは無いでしょう。
今作の舞台は戦中ですが、パラレルワールドを行き来するため、色々な世界が観れます。観る人によって何のジブリ作風かを感じ取れるかがかなり変わる今作。個人的な思いとしてはカリオストロの城のシーンがふんだんに使われていると実感しました。炎の少女が眞人と行動を共にし、薄暗い地下道で明かりを灯すシーンはカリオストロの城のラストで緩やかな水と共に偽札が流れていくシーンを彷彿。炎の少女が陰から様子を伺い「見張りがいる」とつぶやく所もカリオストロの城のラストで洪水が落ち着いた遺跡をルパンがクラリスと地上へ向かって移動するワンシーンそのままだと感じました。これは自分がカリオストロの城にかなりの思い入れやお気に入りの一作だからなのか?ラピュタに思い入れ(私も好きですが)が強い人からみるとラピュタ色が強いそうです。観る人によってどう感じるかも変わるは面白い。観た後に”あのシーンはラピュタっぽくなかった?”などと語れる今作。これはジブリ作品の醍醐味ですね。
あなたのハートには何が残りましたか? By木村奈保子さん

宮崎監督が作りたいように作った一品とのこと。予告動画もなし。宣伝もなし。観たい人だけ劇場で観てね!な手配だそうです。
映画館で大体販売されるプログラムは公開後にネット販売か上映していた映画館で販売されるお知らせが出されていました。
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