せきとば

君たちはどう生きるかのせきとばのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

あらゆる”感想”をぶっちぎって、とにもかくにも本当に素晴らしいというほかない、宮崎駿とスタジオジブリという概念からのあまりにも巨大かつ偉大すぎる等身大のメッセージ。これに関してはエンドクレジットを含めて絶対に最後まで見るべき作品。

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人は老いて枯れて死ぬ。その過程でどれだけの種をまけるか。引用される過去作のひとつひとつが、一度は散っていった各スタッフの手に委ねられ再生することによって(あるいは恐らくその制作過程においても)これでもかというくらい内側にも外側にも慈しみと窘めの眼差しでもって語りかけてくる。

風立ちぬから10年。その年月は風立ちぬ自身で話されていた創作的人生の持ち時間にも当てはまる。

今作品は辞世の句のやり直しで、実際に作品の端々でその風格と、引導を自らに渡しなおす緊張感がスパークしているように思うけど、前作限りでの引退を翻し”現世”に甦った結果、こんなに一心不乱に、情熱に溢れる作品を出してくるなんて、次はもう墓の中から新作を出されても驚かない。そしてそれはもしかしたらもっと早いのかもしれない。
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