このレビューはネタバレを含みます
手放しにおもしろい！とは言えない…だけど愚作とは絶対に言えない…
まず、はじめの火事のシーンが圧巻…緊張感と熱気がアニメーションでここまで表現できるんだ！と涙がでそうでした。でも正直そのあとからの映像は、人物など動いているもの以外は驚くほどの静止画。地獄(?)とよばれる世界へ行ってからは草花や雲の流れが描かれていたので、現実世界の死んだような雰囲気との対比だったのかな？
全体を通して「宮崎駿の走馬灯」のような印象。今までの作品の要素があちこちに見られて、全体が合理的に一貫性があるわけではなく、夢を見ているかのような雰囲気。
上映は2時間20分とかなりの大作。この夢のような雰囲気でストーリーが曖昧であるにも関わらず、集中が途切れることはなかった。
世界を安定させるために積み木をつんで後継ぎを探していた大叔父に、今度こそ引退すると公言している宮崎駿自身を投影してしまった。
とにかく、見終わった直後は何か言いたいけれど何も言葉にならず、エンドロールの「菅田将暉」の名前にびっくりしたことしか言えなかった笑
だけど時間をかけて言葉にしたり、見返したりしたいと思えるような作品でした。
たくさんの作品をありがとう、と宮崎駿監督に伝えたいです。
