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君たちはどう生きるかのmのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【ストーリーの感想】
どう判断すればいいのか。
他人の走馬燈を見せられたらこんな感情になるんだろうな、が素直な感想。
ストーリーは意味不明。一貫性のないランダムな力の突出を見せられている感覚。
宮崎駿作品には必ずいる『案内人』が明確に定まらず状況が二転三転する。誰がどんな目的に向かい動くのか?が、明確に不明確。恐らく、登場人物は誰もわかっていない。黒幕はいない。みんながみんな振り回され続ける。

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これまでは共通の世界像に従って個々人の価値観・思考が形成されていた。誰かが世界像を如何に設計するか?が世界の在り方を定義していた。

しかし現在、世界の在り方は変容した。
多種多様な捉え方が肯定されるようになり世界像は細分化され、共通言語が失われていく。
縋るものが明確でなくなる時代に「君たちはどう生きる?」という宮崎駿の衝動を映像で表現している、と思う。

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共通の世界像のことを『下』、現実を『上』と表現することに、宮崎駿の現実重視の思想を垣間見た。

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大叔父が生涯をかけて維持してきた世界像が崩壊しても、それでも人は生きねばならぬし世界は終わらない。

世界像ではなく現実を如何に生きるか。あなたの現実は何か。

自分は好きにした。お前たちも好きにしなさい。を婉曲表現したらこの映画になるんだと思う。

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たぶん、また観る。



【表現の感想】
初手の空襲の場面が凄すぎて一瞬で引き込まれた。
映像は圧巻。声優もすごい。
前情報が無かったからこそ本当に「物語の人たち」として見ることができた。

今後生きる中で、あと何回こんな体験ができるのだろう思い、少し悲しい。
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