ナナちゃん

君たちはどう生きるかのナナちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とりあえず、公開翌日の土曜日のレイトショーでそこそこの人が入っていて、エンドロールで席を立つ人は誰もいなかった。灯りが点いて出ていく人たちの話しを聞いていたらほとんどが、「よくわからなかったね」だった。

正直、わたしもよくわからなかった。
男の子(真人君)が登場して、この子がコペル君かな?吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』的なお話がはじまるのかな?とみていたけど、ちゃんとジブリ的なお話がはじまる。
吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』は、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』として出演する。死んだ母から真人君に贈られたものとして。
あらすじを整理する。
戦争の火災で、入院していた母が亡くなる。父の再婚相手のナツコさんの屋敷へ(おそらく疎開目的)引っ越す。
ナツコさんは妊娠している。
屋敷には60年来使えている、おばあちゃんおじいちゃんのお手伝いさんたちがいる。
真人君は屋敷で幾度となく青鷺に「死んだ母に会いたくないか?」などと誘われる。
屋敷の離れには不思議な塔が建っている(これは元々降ってきた?もので、大叔父さまが見つけて入れないように整備?した)。
青鷺に導かれて真人君はこの塔を発見するが埋められた入り口をこじ開ける前にお手伝いさんに見つかる。
ナツコさんの様子がすぐれない日が続き、やがて行方をくらます。
森のほうに消えるナツコさんを目撃していた真人君はナツコさんを探すために森へ入り塔へ行く。
塔の中で青鷺に導かれて不思議な世界へ入っていく。
そこでは、若いキリコさん(一緒に塔へ入ってしまった一人のお手伝いさん)や、若い母や、大叔父がいて、人間の世界とはすこし違った成り立ちをしている。
飛んでやがて人間になるという、白いほわほわの生き物(名前忘れた)を守るキリコさんや母、ほわほわを食い物にするペリカンたち、人間を食うインコたち。
母に案内されナツコさんのいる産屋に入るが、産屋に入ることはタブーとされていて石の呪い?により母と真人君は倒れて捕まってしまう。
紆余曲折して母と真人君は大叔父のところへ辿り着く。
大叔父はこの世界で、「十三個の穢れていない石を積む仕事」をしていて、それは大叔父の血を引くものにしか出来ない仕事であり、大叔父は誰かに継がなければならない状況にあり、真人君を後継者にしたがっている。
真人君は拒む。
やきもきしたインコの王が石を積み直してしまうと、この世界は崩壊を始める。
この世界にはそれぞれの元の世界へ繋がる扉があり、真人君とナツコさんと青鷺は同じドアに、母と若いキリコさんは別のドアに、それぞれ帰ってゆく。
そうして無事に元の世界に帰ることができ(おばあちゃんキリコさんは、若いキリコさんにお守りとしてもらった人形が人になって戻る)、ナツコさんの子供もうまれて、二年後に戦争が終わり、東京に帰る描写で物語は終了。

......と、まあ、完全に記憶頼りなのでところどころ怪しいけれどだいたいこんな感じだったでしょう。

さて。なぜよくわからなかったのか。
冒険の中で得られるモノが、わかりやすいカタチをもったナニかではなかったから?
ナツコさんも見つかって、みんなで塔から出られて良かったね!で、大手を振って良かったね!となんだか言えないような雰囲気。
それは大叔父の仕事がそうさせるのだろうか?結局何者だったのかわからない青鷺がそうさせるのだろうか?

世界は微妙なバランスで繋がっているのだということだと思った。

吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』ももう一度読み返したりしたらもうちょっと繋がる点が見えてきたりするかもしれない。



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ここからはただの個人的な日記。

クリニック終わった瞬間、昼食代わりに缶ビ買ってのみながら急いで家に帰る。相撲の場所中は16時に帰らなければいけない。17時前には家に帰ってお相撲をみた。予約しておいたレイトショーの時間までゆっくり。
買っておいた缶ビをのみながら映画館まで歩いてゆく。歩きすぎて足が痛すぎるのに歩いていく。ずっと酒をのんでいたのでまぁまぁ酔っ払っていて、鬱になってた。なんでわたしは鬱なんやろってかなしくなってた。酒飲むのやめなよって話しなのかなぁ。でもわたしが鬱なんじゃなくて、みんなそうで、みんな上手に付き合ってちゃんと周りの人とうまくやってるので、わたしの堪え性がないだけなんやとも思う。たぶんそうな気がする。わたしは鬱じゃない。頑張りが足りない。相変わらず自分の周りはすてきな人ばっかりで、いやなことも夢のように起きないし、仕事も楽しいし、なにもつらいことがないのに。毎日こんなにつらいのは罰なん?とかってやっぱ鬱やったけど映画館はやっぱテンションあがりますワ。たのしい。上映中ずっと缶酒の名残りで頭ガンガンしてた。
帰り道、映画の余韻に浸りながら頭は少しガンガンして、お腹がへっていた。
最近あんまりお腹すかないから、通りかかっても食えなくて入ったことなかったラーメン屋さん、入った。
博多ラーメン。1杯290円。
食べた。おいしかった。〆のラーメン。
290円でしあわせって買えるんやなぁ〜って、酷使した足を引き摺って、映画の内容について考えながら帰った。
ナナちゃん

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