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君たちはどう生きるかのhashiのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7
普通に面白かった。
少なくとも風立ちぬより全然面白かった。
どうなるか分からないけどこれが引退作でも納得かな。
初日に見に行った人が宮崎駿監督の原体験に不思議の国のアリスを足したものと書いてたがまさにそれだった。
戦争の大火で母親を失った主人公が父親が母の妹の叔母との結婚が決まり母親の田舎の実家に疎開してくる。
父親が軍需工場を経営していて母を失った戦争が激化する事を喜んでたり、叔母がすでに子供を妊娠していたりと主人公の心境は複雑で毅然と振る舞ってるがかなり不安定な感じで今後どう生きていくかが話の主体になってる。
母の実家では過去に頭の良かった大叔父が神隠しに遭っていたりと不思議なことが起こる空間で、同じく神隠しにあった叔母を探して主人公もまた不思議な世界へと足を踏み出していきます。
印象的だったのは7人のお手伝いのお婆ちゃんが皆、湯婆婆のように顔がデフォルメされてて出てきた途端に現実感が一気になくなった感じでした。
80歳を超える宮崎駿がこの世界観を1から構築してるのは本当にすごい。先が全く想像できない展開で難解な部分も相まって宮沢賢治の世界を少し感じました。
マイナス面は人によっては難解かなと思う描写と主人公の感情が複雑な分、何を考えてるのか分かりにくく感情移入はしにくかったなと思った。
出だしで田舎に来たボンボンとして虐められた主人公が自分でとった行動は最後の方で説明はされてたけどよく分からなかったかな
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