このレビューはネタバレを含みます
劇場鑑賞作品。
中1の娘と小4の息子と鑑賞。
子供と一緒に映画館で映画を観るのは楽しい。3人でいつまで一緒に行けるかな。
で、だ。
宮崎駿監督最新作。引退した筈の宮崎駿監督最新作が劇場で、しかも親子で観れるというだけで幸せなのだ。たとえ、小遣いから360円のポップコーンを買わされたとしても、だ。
本作、全く宣伝がなく、ビジュアルイメージのポスターしか情報がないという状態で鑑賞した。そもそも、何の情報も入れたくなかった。
誰かに面白いと言われたら期待してしまうし、つまらないと言われたら、さてさてどんなもんですかね、とちょっと構えてしまいそうだったので、全く前情報なしで観たかった。
宮崎駿監督、ジブリの最新作ということで朝一番の回だったが、劇場は満席だった。宮崎駿監督のブランド力。
かなりの宮崎駿監督の作品を劇場で観たが、本作はやはり遺作になるかも、これで最後かも、と思いながら観たので、これまでとは違い、万が一つまらなくても一片の悔いなしという心境だったことは否定できない。
本作、いつもの宮崎駿作品のキャラクターが登場するだけで嬉しい。お婆ちゃんが群れるだけでニヤニヤしてしまう。
パンにバターとジャムを塗るだけでこれよ、これ!と言いたくなる。
ワラワラがわらわらしてるだけで、宮崎駿を感じてしまう。
お話はポニョのようであり、ハウルのようであり、千と千尋のようでもあった。
ナウシカやラピュタのような冒険活劇ではないものの、冒険活劇の風味は味わえたし、何より宮崎駿監督作品を味わったことは間違いない。
決して爽快な後味すっきりの作品ではないが、宮崎駿、ここにあり、というか老いてなお現役というか、楽しみにしていた味とは違ったけど、これはこれで良いよね、という作品だった。
想像以上にファンタジーで哲学的で、着地が難しい作品だったので、ラストの強引さというか、ケムに巻かれたようなあっさりとした幕引きは正直なところ食い足りない部分がない訳ではないが、余韻を残すラストと言えなくもない。
これで宮崎駿監督作品は見納めなのかなぁ。まだまだ、観たいな、と思わせる力は本作にあったように思う。
星は4つと迷ったが、3つ。ただ、満足度は高い。3.8とか3.9とか。
あと、カエルのシーンに子供達はドン引きしていたことをここに記す。