このレビューはネタバレを含みます
これまでのジブリ映画をマッシュアップして作ったカオス映画。前作『風立ちぬ』がウンコすぎて全く期待してなかったので逆にめちゃ良く感じた。前作が遺作だったらマジでアレだったと思うので良かったね。
太平洋戦争中、空襲で母を失った少年が父の再婚相手の屋敷に疎開し、そこで不思議な現象に巻き込まれていく物語。ストーリーはほとんど意味不明だが、人の生き方を寓意的に表す短い場面の連鎖で編まれていて、その問いかけの真剣さは伝わってくるので最後まで見れる。そう考えてみると説教くさい映画なんだけど、全然そういう感じじゃなく見れるのは凄い。
最後の場面、烏合の衆の悪意によって滅びゆく世界の中で、主人公は悪意なき世界を作ることではなく、悪意にまみれた世界の中で友と共に生きることを目指す。今の日本や世界のあり方への向き合い方を考えさせられた。