Ksato

君たちはどう生きるかのKsatoのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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風立ちぬがファンタジーじゃなかったのもあって、
「わ〜、今ジブリ見てる〜」って思えたのは予想外でした。
なんか、髭もじゃのお爺さんがスクリーンの真ん中にドシンと鎮座して説教してくるみたいなのを想像してたので。

なにがよかったかはあまり分からないけど
いい映画でした。わけは分からなかったけど。

でもまぁ、作りたいものを1から10完全に理解してたらそんなものわざわざ作る必要もないと思うんですよね。
だから作ってる本人がわけわかってないなら、それってマジかもしれない。

しかも、アニメのエンタメとしての部分、
後輩にあたる庵野監督やら新海監督やらですら自分のエゴ抑えてお客さん楽しませなきゃ〜
って感じのテンションなのに
老若男女散々楽しませてきた監督の晩年がこれなのはすごいなぁ。

わけはまぁたしかに分からないんだけど
自分の過去の記憶の深いとこまで降りていって会えない人と再会したりなんだり、そんな感じなことがしたかったのかなぁ
というのはなんとなく伝わった。

もしこの作品の要素に救いだとか弔い的なものを伴う行為が少なからずあるんだとしたら
それは紛れもなく監督自身のものなわけで、そのスタンス潔くていいですよね。
あのお爺さん、エンタメの前に芸術家なんかもしれん、という。
亡き母との邂逅はそれとして、親として息子との関係は描く気ないのかな?というのは、野暮かなぁ。
強い信念(エゴ)を持って創作する人間はどこか少年であり続けなければならないみたいなのがあるんだろうか。
それとも、他国に完全に骨抜きにされて自立できないこの国とアニメやサブカルにおける幼児性ってのはリンクしてるよね、的な話なんだろうか。
実母と義母。
輸入した文化や価値観をどう受け入れるかみたいな。
宮崎駿の戦争体験と戦後民主主義。
はたして
吾朗はどう生きるか、なんて。


主題歌は個人的に微妙でした、すんません。
時代設定が戦中だから千と千尋の時みたいな、呼んでいる〜、のアレみたいな、
アレのがよかったなぁ、と個人的には思いましたね、すんません。
最後の最後にエンドロールで
あ、大人の仕事してる!笑
って思っちゃいました(別にいい)

でもそのバランスがジブリでありアニメなんでしょうねぇ。
ハヤオ・ミヤザキはフルでガチ芸術家やるならまず鈴木敏夫をぶん殴らなければならない(冗談)

あと、内容についての考察とかたくさんされてるみたい?ですけど
自分にはちっともわかりませんでしたね!

見に行く前に美術業界とかの人が小難しい考察してるのがたくさん流れてきて
しかもタイトルがタイトルだったので「なんかめんどくさそうだなぁ」
と見に行くのやめようかと思いました!

結果、全然わけわかんなくてよかったです!黙れ!!
Ksato

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