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君たちはどう生きるかのmofuinkoのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

『風立ちぬ』から宮崎駿は観客を突き放すというか、受け取り手をほっぽらかして描きたいものを描く、という感じがしていて、安易なエモさや伏線回収や手取り足取りの「正解はこれですよ」的なフィクションがあふれる中で、
老獪でありつつ彼のエゴも自己主張も垣間見える、いまのジブリでしか観られない作品で満足した。今、劇場で見ないと勿体ない作品だと思う。

解釈や暗喩、は見る人それぞれの内面にあるものと反響するものだと思うけど、私は強烈に母性というものの男性視点も感じた。
かなり「死」が近い人が作ったものとして、50代の私にはいまいち実感として分からないと思うところもあって、一方で、二十代のうちの子が見て「傑作」と言っていて、若さと老いのものの感じ方の陰陽というか、そういうのが個人的におもしろかった。私も60代、70代と歳をとっていけばこれを見てまた感じることが違うだろうし、うちの子も30、40代と歳を重ねたら違うものを受け取る気がする。そういう意味でやはり傑作、なのじゃないだろうか。
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