芳乃

君たちはどう生きるかの芳乃のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


友人たちと一緒に行った!
Twitterで『児童文学』『宮崎駿の原液』という前情報だけで行ったんだけれどその通りだな…って思った。


子供である眞人はまだ人間世界においては汚れを知らなくて、そんな眞人ならば新しい石の世界をもっと平和で愛に満ちた世界にできるのではないか、と大叔父が新しい主人にならないかって打診する。
→でも眞人自身は既に自分で自分を傷つけ、親の権力を使い、同級生たちに罰を与えようとする、その悪意を持ったことを自分自身知っている。
だから外に帰って、友達を作ったり、そうやって頑張ってみるよって、何でも思う通りにできる夢の世界から現実に戻ることにする。


すっごく児童文学じゃない??
これは冒険をする子供の話だと思う。

そして眞人、めっちゃ良い子じゃない??


そもそも母親が死んだ一年後に新しい母親を名乗る人間が現れて、手掴まれて腹撫でさせられて『これはあなたの弟です』って言われるの恐怖でしょって、友人たちと話した。(これは後々わかることだけどしかも母の妹ですって??)
それで警戒してたら新母親は『新しい息子に嫌われてるんだわ!』って言って石の世界に引き篭もるし、新しい学校に行く時に親が意気揚々と自分の高収入ひけらかして自慢できるぜって車で送られて案の定同級生と険悪になるし、外の世界めっちゃ戦争してるし、これぐれても仕方がないのに眞人めちゃくちゃ良い子じゃないですか???
眞人は『真の人間』って書くんです…こんな世の中で、どう生きてくんだろう、どう生きてくべきなんだろう。


眞人はあらゆるものの本質をこの冒険の中で得ていって、最後の結論としてアオサギのような友人を得るよ、頑張って生きるよって宣言して現実に帰るの。
子どもの成長譚じゃないですか。

好きだなぁ…って思った。

(追記:私もすごい児童文学読みって訳ではないけれど、なんとなく漠然と児童文学にある定石は踏まれてる気がするんだよなぁって思う。『架空の友人を得ること』『そしてその時の記憶を大人になったら忘れてしまうこと』)
芳乃

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