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君たちはどう生きるかのTのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

これタイトルが悪すぎるんだが敢えて原題ママにした鈴木敏夫とジブリは悪いなぁ。こんな客観性に欠ける題名そうそうねえもんな。

勿論原作も読んだ。

何より気になっていたのは俺のようつべにたまーに飛び込んでくる「まあだかい」という動画。本作に至る発端と、「まあだだよ」という映画は黒澤明の遺作でありその宮崎駿監督との対談も件の動画には含まれているのだ。

ネタバレ禁止とはいえ、ある程度の予測がつくところと、ありがちだがあちこちから飛びこんでくる賛否両論と箝口令。半国営放送に至っては黒澤監督の晩年の作品「夢」のようだとまで夕方のニュースで云うわけで、、それはそれは気になって気がついたらつい行ってしまった。

前置きご勘弁もう少しおつきあいください。
そうなんだよ。誰もが感じながら口に出すのを憚る監督の年齢とその職責の重さに加え過酷かつ苛烈なアニメーションをつくる職務内容。
おそらく長編はもう最後になるかもと思ったらそりゃ見なきゃ。

私がはじめて友達と画面を見て号泣したのは「風の谷のナウシカ」戦闘シーンと美術ひいては建築で絶望的に圧倒されて発奮したし今でもそうなのは漫画版ナウシカ。
そこに落としこんでるなんて噂まであったから。

では、感想です。
必ず「風たちぬ」のカウンターを入れてくるだろうとコッちは勝手に予想してた、が。
まさか。やはり。えっ。
共産主義の根幹キリスト教の起源とも言われる拝火教ゾロアスターがもろだし。
エヴァからのユダヤ神話ガフの部屋やら箱舟からはじまってセイリングまでとりこんで監督の出自から母への思いから恋愛まで、ゴッタ煮。
こんなにつめこんだら味がわかりにくくなるのはあたりまえだわ。

完璧に期待を超えてみせてくれた色彩設計から、人物の表情と意図的に狂わせたパースとスケール感からぼんやり見えてくるパート。
んでもって相変わらずというかまたしても度肝を抜く美術!
一貫してブレねえ人間の本質を見抜いた脚本!
そしてシメには世襲制への傾倒かと思えばグズグズしてると世界の屋台骨はブッ壊れるぞとばかりにホワイトパワー主に英国批判!
あの宙にうく石なんかもうメッセージのヘプタポッドまんまじゃん。

しっかり少年活劇してました。



おそらく、このレビューを理解してくださる方は皆無と思われるが、自分のひとつの記録として、記憶として。




真夏の昼過ぎにバカでかいこたつでみんなで鍋。
もしくは赤ペヤング。
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