毬藻

君たちはどう生きるかの毬藻のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2
宮崎駿監督の7年ものエネルギーが詰め込まれた上に、80余年の宮崎駿という人間の自伝的な物語、そんな映画理解するしないの話がもはや無意味なんじゃないか。

今これを書いてる時点で6回観てるんだが、何度観てもわからないものはわからないし、観る度新しい発見があるのかと思えば特段それもない。
でも観るときの心理的状況が左右するのか、感動はその時々で変わる。
あと正直、寝る時もある。


冒頭「戦争の3年目に__」の眞人のナレーションからタイトルバックまでに、膨大な人間ドラマと感情が溢れていることを勝手に想像して堪らなくなる。
全編を通してそういう、間奏というか余白みたいなところを勝手に決めて埋めたりして、未知との遭遇に興奮冷めやらなかった初回・2回目から思えば、視野も思考も広く自由に観るようになってるなーと。

自分を肯定されたような、、、肯定はちょっとおこがましくて仰々しいけど
「まぁとりあえず、生活を続けなさいよ」
そんな感じで放り出されたような解放感がある。
ただただこの映画が好きでずっと観ていたくて、そのせいで気付けば6回。


情報の露出を一切封じたプロモーション。
でも公開した途端に明かされる衝撃的な情報の数々。
どれだけの世代、界隈の人間が惹かれるか、そのきっかけは口コミだけで十分だろうしSNSという最強のツールがある時代、なんの懸念があるのかって思ったよ。

ベリーロングラン、お願いします。
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