宮﨑監督の今までの作品へのオマージュと感銘を受けた作品へのリスペクトがぎっしりと詰まった作品。要するに、主人公の少年が、母の死と、新しい母を受け入れるまでの心の葛藤を描いている。
ストーリー的にはよくあるものだけれど、裏に隠された設定や色々な伏線やメタファー的なもの、インナーワールドやパラドックス的な要素とタイムリープに近い別世界での冒険を経て少年は何を選択し、この世界や未来をどう捉えて生きていくか！はっきり言って後半はちょっと難解。ざっくりとはわかるけど、「考えるな感じろ」でした。
まず、冒頭の火事のシーンから引き込まれました。そして田舎のお屋敷の廊下でのアオサギとの遭遇にはゾクゾクしました。アオサギの不気味さがなんともいえない！そこから謎の古い塔への誘い。「待っていましたよ」なんて言われたらねえ。いろんな⁇を抱えながら進んでいく感じと過去のジブリ作品と重なる既視感の強い場面が散りばめられてて、ついついニヤニヤ。
何回も見たい作品ですね。アオサギのあの鼻はきっとフフフとかね。監督は見事に種を蒔いたと思いますよ。
米津さんのエンディングはこの映画を観る前からいい曲だとは思っていたけど、観た後はもっと心を掴まれる。何度も聴きたくなって聴いていると涙が出た。
