MasaichiYaguchi

はやぶさ/HAYABUSAのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

はやぶさ/HAYABUSA(2011年製作の映画)
3.5
本作は、2011年に多くの人々に感動を与えた小惑星探査機「はやぶさ」の業績をドキュメンタリータッチで描く。
JAXAが全面協力しているので、この「はやぶさ」プロジェクトの意義や目的、計画の全貌を映画は詳らかにする。
打ち上げまでの政府への折衝や、ロケット発射に伴う地元への説得等、我々民間企業と変わらない、泥臭い根回しや営業活動に共感を覚える。
小惑星探査機を製作するにしても、コストとの闘い、重量や質量を切り詰める技術者達の姿に、同じ技術系の1人として胸が熱くなってしまう。
専門用語も色々出てくるが、字幕での解説や、CGアニメーションで表現したりして分かり易く紹介する。
「はやぶさ」に何度トラブルが発生しても、その度に状況を検証し、創意工夫して難局を乗り切っていくJAXAの研究員達。
冷静な頭脳と、内に秘めた熱いハートが、スクリーンから伝わって来て、「はやぶさ」にエールを送りたくなってしまう。
モデルは無いとの事ですが、主役の水沢恵を演じた竹内結子さんが良い!
化粧気の無い顔、引っ詰め髪で、「はやぶさ」プロジェクトや学術論文に邁進する姿に好感を覚えます。
「はやぶさ」が成し遂げた、世界初の地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンは、今でも技術立国日本の金字塔だと思う。