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マダム・ウェブのMISSATTOのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.2
ん〜〜惜しい!というのが率直な感想。
面白くないわけではないし、映像演出の一貫性もあったので、及第点はつけられる。
主軸となるのが、私が好きな、社会に上手く適応できない人間が突然コントロールできないほどの力を身につけてしまって、本人の特性の芯はブレることなく成長していく物語で、それ自体は面白く見れた。
キャリーウェブの、おそらく共感性の感度が他の人よりずっと高いゆえに、人付き合いを避ける傾向もすごく共感できたし、それを丁寧に描いていることには監督の視点みたいなものも感じた。

けど、子どもが子どもらしくない。
大人が考える古の"新しいティーンエージャーのステレオタイプ3種”という感じ。
それが見ていて辛かった。

そうなると拠り所はキャシーだけになってしまって、余計な感情セリフが差し込まれたり、さすがにそれは!?という地理的リアリティーにツッコミいれたくなる省略があったり、繰り返し登場人物の意図を示す視点シーンがあったりして、スピードが削がれる瞬間がどんどん見ながら気になってしまっていく。
そして何よりも、主人公のキャシーウェブが自己の能力をどうにかしなければと思うきかっけに"死”を持ってくるのは、過去のあらゆる男性ヒーローもので成長のきっかけを「冷蔵庫の女性」に頼ってきたのと同じ構造なのは正直許しがたかった。

あまりに上手いヒーロー作品が多いだけに、もう少し練って欲しかったな…という気持ち…。
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