宮本

シティーハンターの宮本のレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
2.5
予告編見て面白そうと言うことで、Netflix版シティハンター期待度MAXの状態で見ました。そしてネットやSNSの評判がかなり良くて、これぞ実写化!実写はこういうことだ!と言う意見が雑踏している中、全否定させていただきたいです。今年でいうと、ゴールデンカムイに続いてなかなかの駄作!

いい点から。主役の鈴木亮平はまぁまぁハマり役ですね、昔からやりたかった役らしいし、体張ってくれて見てて楽しい。
そしてアクションにかなり力入れてるのはわかります。ほぼジョン・ウィックのパクリなんだけど、いろんな工夫があって飽きない。
以上。

問題点はとにかく2つあると思います。
①アニメと実写映画の圧倒的に異なる「間」。今回はなるべく原作に近い衣装、メイク、演技、台詞回し、コメディータッチ、あらゆるところはできるだけ寄せてはいるけど、奇跡的に見せ場になると全く決めれないような演出とカメラワーク。言うまでもなく、アニメはアニメでしか成り立たない「間」があるので、今回の映画だとギャグのタイミング、アクションの緊張感、ドラマの見せ場、全てが少しずれてて、全くハマってない。音楽はBGMでしかなくて、気持ちが全く入らないし、終始全然盛り上がらない。ギャグにはたーまににっこり笑う程度で、それもシティハンターの原作が好きだからです。役者はずっとオーバーアクティングしてて、リアクションは想像通り、名台詞にも全く反応しない。全てがフラットすぎて、正直アクションにしか目がいかない。

②脚本と原作パートのチョイス。
エンジェルダストのところを選んだのはわかりますけど、正直一作目としてミスってる気がします。冴羽と槇村の関係が最初の10分にしか描かれないので、正直どうなったって心底どうでもいい。ので、冴羽と香の関係も興味が湧かない。そもそも悪役も含めて登場人物全員のキャラが浅くて典型的。裏切る警察官も出た瞬間「こいつは裏切るな」としか思わないし、警察はそもそも何も役に立たないから切ってもよかった。鈴木亮平は頑張ってくれてますけど、カットとシーンのつながりがご都合主義すぎるし、いつ経っても物語に没入できない。
なんと言っても技術側もそうですし、演出側もそうで、全てがテレビドラマレベル。こっちが映画を見たいと思ったら、安い深夜ドラマ見せられてる。カット割りとかはダサくて、いかにもって感じの見せ方も滑っている。
悪役は結局ただ悪さしたかったやつなだけ。田舎のヤンキーの方が奥が深い。
近年実写版がどんどん増えている中、心配でしかない。
宮本

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