クロスケ

シティーハンターのクロスケのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
2.7
大仰なことをしているわりには、引っ掛かりのない映画でした。
物語がシナリオどおりにつつがなく進行し、製作費に見合ったそれなりに手の込んだようにみえる映像で、綺麗にまとまっている印象だけは受けました。

身も蓋も無い言い方をすれば、面白味がないの一言に尽きます。

すべてが予定調和的で、観客を裏切る仕掛けだとか、渾身のショットだとか、そういう映画的な野心が微塵も感じられませんでした。

黒幕の犯罪組織の描写が、幼稚というかちゃっちい感じがするのは、オリジナルがそもそも少年漫画だし、仕方ないというか、大目に見れますが、東京という混沌とした都市を、魅力的な舞台装置として描くことにも興味がなさそうです。

切れ味の悪いギャグシーンをむず痒い思いをしながら見るにつけ、ハリウッドではお馴染みの、コメディ要素を含んだクライムアクションが日本ではまだまだ確立されていないのだなぁと残念な気持ちにもなりました。

鈴木亮平は優秀な役者だと思います。脚本の読解力も高く、フレキシブルなフィジカルも持ち合わせている彼のような器用な役者は、プロデューサー的な視点から見ても、重宝する存在でしょう。彼に助けられた演出家はたくさんいるのではないでしょうか。
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