とらキチ

サーカスのとらキチのレビュー・感想・評価

サーカス(2022年製作の映画)
3.4
第5回インド大映画祭 ③
「人格形成は環境から」という持論を持っていた孤児院経営者が、孤児である2組の双子の赤子を入れ替え、富豪の家とサーカス団長の家に養子に出した。彼らはそれぞれロイ、ジョイと名付けられ成長するが、長じて一堂に会し、騒動が巻き起こる。
“氏より育ち”
ランヴィール・シンの芸達者ぶりを堪能するドタバタコメディ作品。アクションがほぼ無しで、ここまで魅せてくれるなんてさすが!って感じ。それに「きっと、またあえる」“セクサ”役のヴァルン・シャルマも相変わらず面白い。そしてセットやグレーディングによるハデハデな色味の無国籍感が、まるでウェス・アンダーソンや「Barbie」のよう。
ただ、個人的には最近“モンスタースタディ”という、22人の孤児を対象に行われた吃音実験を取り上げたテレビ番組を見ていたので、このような孤児の人生そのものを左右してしまうストーリー設定にどうしても違和感嫌悪感を抱いてしまった。最後、孤児院経営者本人が、なんか偉そうな事を言っていたけど、詭弁にしか聞こえなかったし、物語そのものはハッピーエンドなのに、なんかモヤモヤしてしまった。
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