シャバ像

キングダム 運命の炎のシャバ像のネタバレレビュー・内容・結末

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

総評:日本映画の中では過去最大級のスケールで、俳優陣も豪華絢爛。見たいものは概ね見れて満足。ただ、全体的に2時間超のボリュームの中では、映画の都合で各俳優の見所に時間を割いたりするため、物足りなさを感じた。
物足りなさで特に気になったのは2点。前編のみであることを告知して欲しかった(展開を予想させてから映画にのぞみたかった)こと、松佐や去亥などの飛信隊の人気キャラが出ず感情移入があまり出来なかったこと。後者は、後のストーリーにも影響しそうである。その他は、後編での回収になりそうな伏線も多くあり、期待も含めた得点としている。(単体では4.0程度)

ストーリー:嬴政の過去回想および、趙の馬陽侵略開始〜龐煖の夜襲まで。正直、政の回想は映画では不要に感じたが、漫画の展開通りであるし、やらないと吉澤亮の無駄遣い。その他は無理なく展開していた。

演技:とにかく最高。俳優の配役含め、日本映画の粋を極めており言う事なし。チョイ役にも見たことある人を使っているのもニクい。欲を言えば、誰か一人に思い入れが有る人は、出番の少なさに驚くかもしれない。(例えば、橋本環奈はおよそ5分ぐらいの出演で山崎賢人と言葉も交わさない)

演出:ツッコミどころも多く有るが、シリーズ3作品目にもなると突っ込むのは筋違い。羌瘣が一度も呼吸を使わずに敵将にたどり着くのとか、弱いと言われるビトウビヘイ兄弟が敵兵に揉まれても死ななすぎるのはさすがに違和感なぐらいか。特殊効果や、スローモーション含めたVFX効果なども多様されており、スケールの大きさを感じさせる。ラストの龐煖の顔が光の感じで徐々に見えてくるところや、信の初めての演説で爆発的に士気が高まるところなどは非常に良い演出だと感じた。

アクション:中盤以降は激しい殺陣の連続。めちゃくちゃ大変だろうなぁと思いつつも、キャストが多いので実はひとりあたりの分量は少ないかも。カメラワークなどもあり、非常に見やすくアクション性も高かった。

カメラ:自身が戦場に入ったかのような目線のアクションカメラで、迫力満点。王騎・河了貂の俯瞰視点で時々解説を行ってくれるため、戦記物としても見やすかった。反面、顔の濃い俳優たちのアップシーンが多く、疲れる感じも。

コメディ要素:狙ったかのようなコメディポイント(王騎とトウのしつこ過ぎるやりとりや、ビヘイ:岡山天音のぼやきなど)で笑いも起きていた。後編は遊べなくなりそうなので、遊びを入れたのかと思う。

備考:李牧が小栗旬の予想が当たったのは満足。龐煖が吉川晃司だったことを含め、日本の俳優で当てはまりそうな人をしっかり選んできたなぁと言う印象だった。
正直、現状で政の母や、松左などのキャラが出ないのは致命傷かもしれない。趙戦で映画としては一度終わるのかも。
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