空母ポンタヌフ

ゴジラxコング 新たなる帝国の空母ポンタヌフのレビュー・感想・評価

4.0
 「支配なんかしねェよ」というルフィのようなキングコングさんの名言が幻聴のように聴こえてくる。「俺は部品だ。部品には役割があんだろ。タイタンを祓い続けるのが俺の役割」という某呪術マンガの主人公ばりにタイタンを倒し続けるゴジラさん。「一線を超える。常識が変わる。」というキャッチコピーはそのとおりで、いい意味でばかみたいな映画作品である。ローマ、フランス、エジプト、ブラジルと世界周遊破壊ツアーをしてくれるし、でかい猿の惑星やアンチャーテッドやインディジョーンズのような冒険譚まで放り込んでくるぜんぶ乗せの劇薬映画。常に怪獣が暴れている2時間であり、人間パートは怪獣が暴れるための布石に過ぎないのが面白い。怪獣が暴れるための映画であり、かなり人を選ぶ映画ではあるのの、このような頭を空っぽにしてみれるのも怪獣映画のDNAを受け継いでいるともいえ、ハリウッドのビッグバジェットでそれをやってくれるのは単純に嬉しく思う。
さて、この作品のテーマ(というほどあるのかは不明だけど)は、「支配」というキーワードである。そもそも地球の支配者が人間ではなくタイタンになったという価値観が一変したこの世界において、コングとゴジラが地球を表面と内側で分割統治をする話にほかならない。アッセイを敷いていたスカーキングは排除され、被支配者である人間あるいはその文明は見向きもされず破壊されていく。この次の作品を作るなら、この作品の被害に業を煮やし他人間からのしっぺ返しを喰らう系でもいいし、宇宙からの侵略者に地球怪獣総出で戦うアベンジャーズ作品でも良いし、そのどっちも織り込んだ作品でもいいけど、とにかく楽しい作品画今後も出てきそうでよかった・・・