ユウサク

ゴジラxコング 新たなる帝国のユウサクのレビュー・感想・評価

1.6
ゴジラ対なんちゃらとかなんちゃらの大決闘とかをハリウッドでやってるっていうガワ含めての面白さは確かにあったし歯折れて「にやっ」とかミニコングヌンチャクとか笑えるところもそりゃある。

でもやはり前作同様アダム・ウィンガードという人の価値観の古さが話の根本にあるので結局プラマイゼロどころかマイナスになる。昭和の「民族」描写をまんまやりやがるし俳優のルーツもめちゃくちゃ。ファラ・チェンの出演自体は嬉しいのに添え物扱いで腹立つ。喋らない役に、ろうで手話者の俳優をキャストするのと喋れる俳優を喋らない人として(しかも人種的にマイノリティだったりして)キャストするのではリプレゼンテーションのニュアンス変わってこない?
またブライアン・タイリー・ヘンリーのパブリックイメージを利用したクイアベイティングもどきの演出も引っかかる。はっきりあのキャラをゲイとせず腕を組ませるとか「キスしたい」と言わせるに留めているのが、単に「目配せ」で終わっているよくない表象の典型に感じた。

前回も感じた気がするけどずっとガオーだのウギャーだの言ってるのに別にそこに迫力はなく、とても音が遠い気すらするのは何故だろう。劇伴だけならちゃんと迫力がある映画館で見たのでミックスの問題だと思う。帯域的に鳴き声と劇伴の美味しい部分が被ったりするんだろうか。
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