2024年のアメリカ映画。『ゴジラvsコング』の続編で、モンスター・ヴァースの5作目。監督は、前作同様にアダム・ウィンガードが務める。
サブタイトルに『新たなる帝国』とあるように、地下空洞下が物語の主な舞台となる。本作はゴジラ映画というよりは、むしろコングの方がメインだと感じた。海外だとコング人気が凄いのかな。『キングコング:髑髏島の巨神』から数えてモンスター・ヴァースでも3作目だし。コングも確かに魅力的なキャラなんだけど、ゴジラをもっと前面に出してほしかったなというのが本音だ。
映像がとにかくリアル。コングの質感も凄いし、地上を暴れ回るゴジラ、そして地下空洞の描写に興奮する。圧倒的スケールという言葉がぴったりだ。
コング主体の話なのだが、怪獣映画というよりは『猿の惑星』シリーズを彷彿させる。コングの同種が登場し、猿同士のコミュニケーションにて話が進む。彼らを従えているボスは、スカーキングというオラウータンに似た個体。こいつの動きも怪獣というよりは猿そのもの。ミニコングも愛嬌たっぷりのリアルな動きと表情を見せる。人間とコングとの友情も描かれるため、余計に『猿の惑星』らしいと感じてしまった。
コング主体でゴジラの活躍が少ないものの、話自体は面白い。コングとゴジラが共闘し、仲間と共に敵と戦う後半の下りはめちゃくちゃ盛り上がった。あれやこれやと、憎い演出がてんこ盛り。何だかんだで分かっているな、この監督。と思ってしまった。
日本の怪獣映画とはいろいろ違うなと感じつつも、これはこれで面白い。まだまだ続いてもらいたいが、コングはここで一旦区切りにして他の怪獣を出してほしい。ゴジラがメインの怪獣映画がやっぱり観たいのよ。