凄い・・・資本主義の暴走と労働搾取という今日的な問題を物語に取り込んで、多様性やSDGsという現代的な価値観を添えながら、フワフワで優しさに満ちたラストに帰着させる傑作!
付き合いで一緒に見ていた友人(いい歳した中年)達が、当初はポップコーン片手にスクリーンにツッコミを入れて笑っていたのが、後半黙りこくり、最後は静かに涙をぬぐっていた。
すみっコたちが連れて来られたクマ工場長の玩具工場が、福利厚生の充実を謳いながら、明らかなヤル気詐欺で無賃労働のタコ部屋・・・各工員成績の見える化と苛烈なノルマ・・・市場を見失った生産計画と止まらないライン・・・。
それはもう、一緒に見ていたメーカー勤務の友人達が恐怖に震えるリアルな演出。
そして作った玩具が、メーカーのマークを打刻した動き始めるに至っては、オートマター的な怪奇幻想譚「ゴーレム」の世界。
更には意思を持つ工場と町を襲う玩具達は・・・殺人ロボットが進化しながら増えて惑星の人々を襲うSFホラー映画『スクリーマーズ』を連想させるや恐怖映画的展開。
それがクマ工場長の正体が露わになったとたん、物語は一気に冒険活劇へ!
そしてなだれ込む感動のラスト。
名作と言われる第一作を超えてきた・・・もう大長編ドラえもんの後継者は『すみっコぐらし』なのでは!?
凄いよ、すみっコ・・・。
p.s.
本上まなみの声がいつもと違う気がしたけど…何故だろう?