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インフィニティ・プールのvdkdのネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


やはりクローネンバーグの血筋。高級な悪趣味を浴びた感じが凄い。いい佳作!!

独裁政権風な異国のリゾート地という表情豊かなロケーションがボディブローのように演出上で効力を発揮しているのが心地良い。※ベースは陽がある内の湿度温度共に良好で夜はグッと気温が落ちるみたいな場所なんだけど劇中の展開によってその気候に対する体感も変わる感じが生々しくて素晴らしい。また、必要以上にSF感を出さない抑えた雰囲気(日本語だとクローンと字幕が出るけどダブル、って表現がしっくり)も意図にあっていた。

展開についてはクローンを身代わりに出来る事を理由にミアゴスが誘う沼にハマる展開は予告編の時点丸見えなのに、その展開に二転三転の比重が強いせいか熱に浮かされたように及ぶ狂気がメインで理由付けになっているクローンの要素が途中薄まっていたように感じる点だけ少し勿体なかったような。。とはいえ「犬」でそこも全て回収出来ているし、最期にリゾート地から空港に向かう際のまるでスワッピング程度のイケない趣味に興じた(法的には問題ない、いやそうか劇中設定だとホントに問題ないんだもんね。。)夫婦たちがケロッと無問題顔してるエゲツなさ。。わかるよスカルスガルド、あんなの立ち直れないよね....

主要キャスティングもスカルスガルド家特有のちょっとレイシストっぽい薄情な白人顔の紐旦那とカーダシアン家の娘のようなセクシーな唇の嫁という現地民が殴りたくなるようなパーフェクトカップルで素晴らしい。ミアゴスの旦那は人懐っこい笑顔と訛った英語で大らかに見える登場から車を運転している時に初めて見える腕の趣味悪めなタトゥーの演出が秀逸。で、ミアゴスはもう何てったってミアゴス。抑揚の付け方といい目つきといい映画すべてを掻っ攫う素晴らしさ。ファムファタールに必要な耽美性をぶち抜く怪奇派!男性としては哀しいけどド級の美女よりコッチのが沼りそう!と認めざるを得ない程に生々しいインモラルなエロス。そしてクドい笑!クドいんだけど鼻につくとかは一瞬で通り越してもっともっとやってくれミアゴス!!と拳を握ってしまった。どの映画の、それこそワイスピとかスターウォーズみたいな大作の黒幕も務まりそうな(映画そのものはミアゴス一色に染まるけど)ミアゴス。ミアゴス三部作の完結篇マキシンにも大期待!

もっと色々感想が頭を巡っていたけどミアゴスの話をしたらやる気がすっかり搾り取られてしまった。脱力。ミアゴスは強い!!
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