アイアンクローのvdkdのネタバレレビュー・内容・結末

儚いカリスマ性を纏ったダラスのアイドル達とエタニティを求める強い父性。一家を描く事に焦点を絞ってプロレスに纏わる描写は抑えた表現で物語をシンプルに見易くまとめているのが素晴らしい。反面、NWA世界王座を巡る政治劇をプロレスがフェイクであるを前提にもう少し描けていたら、より一家が到達できない壁を演出出来た気がする。サラッとはしてるけどフレアーの「山あり谷ありというのは常人。俺に谷はない。」という言葉がとにかく重い。そして試合を終えた後にカラッとケビンを飲みに誘う懐の広さ、残酷な程にスターとしての差が出る演出にはグッと来たし、最期の挑戦を機に世界王座という蜃気楼から目を醒ましたように家庭に帰るケビンというのも良かった。