旅するランナー

PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイの旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.0
【幽霊半島(ハント)】

韓国の好きな俳優の一人である、ソル・ギョング。
これまでにも「監視者たち」「名もなき野良犬の輪舞」「殺人者の記憶法」「1987、ある闘いの真実」「キングメーカー 大統領を作った男」などを観てきましたけど、どれも面白い映画でした。
ソル・ギョングにハズレなし。
ってことで、今作も観てみました。

ソル・ギョングの他も、
パク・ヘス「イカゲーム」、
イ・ハニ「エクストリーム・ジョブ」、
パク・ソダム「パラサイト 半地下の家族」
という興味深いメンツが揃います。

物語は、日本統治下の朝鮮半島の都市・京城(現在のソウル)が舞台です。
朝鮮総督府内に潜り込んだ抗日組織のスパイ「ユリョン(幽霊)」探しに関わる攻防が描かれます。

大半が日本語になっています。
韓国の俳優の皆さんが一生懸命日本語をしゃべります。
かなり流暢です。
それなのに、日本語字幕が付く違和感。
どーもこそばゆい。
これと、暗号読解、盗聴傍受、告発密告の駆け引き。
コチョコチョした諜報戦・心理戦。
これが続くと辛気くさいなぁと思っていると...

意外な人物が本性を現してからの、格闘・銃撃戦がメチャすごい。
終盤は、バディものアクションになっていきます。
マレーネ・ディートリッヒの「上海特急」など、当時の映画ポスターがポイントにもなっているんですけど、
往年のギャング映画をも彷彿とさせる、カッコ良さ。
日本軍人がやっつけられるんですけど、爽快感を感じます。