マインド亀

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのマインド亀のレビュー・感想・評価

5.0
くだらなさに磨きをかけた爽やかスポ根殺し屋MOVIE

●一作目にドはまりして以来、色んな人に勧めまくってた割に周りにあまり観た人がいなくて寂しい想いをしておりましたが、ようやく待望の続編を見ることができました!割と大きめのシネコンでかかってて、この映画の人気ぶりを感じることができました!一作目同様パンフレットはCDドラマ付きなのでマストアイテムでございます。お買い逃しなく!

●今作は前作とガラッと変わり、敵対チームである男性兄弟との最終的な対決というシンプルで骨太なストーリーが縦軸になっており、それ以外はほとんどちさととまひろの世界クラスにくっだらない日常のオフビートな会話などのコメディパートが前作以上にボリュームアップしております!
このコメディパートに登場人物全員が参加し、結構な尺をとって行うので、はっきり言ってストーリーのテンポを損なうレベルです!なのですが、それぞれめっちゃくちゃ面白いんです。少なくとも私は大好きすぎてもっとおかわりがほしいくらいです!
数々の映画イジリが最高!「花束みたいな恋をした」の「じゃあ、結婚しようよ!」の下りは二人の価値観が垣間見えて面白かったのと、明らかに監督が「花束…」にドはまりしているのがよくわかってすごく共感!
さらによくダメな方の比較例にされる「バイオレンスアクション」の一言が聞けて良かった!
また月下の棋士オマージュの賭け将棋、なにあの無意味なくだり!(笑)高石あかりさんのコメディエンヌっぷりが素晴らしすぎました!
あと前回はチョイ役だった掃除業者の田坂がメインに昇格し、今回は部下の宮内とマネージャー須佐野とのとりとめもない会話もボリュームアップ。敵チームの会話も含めて、俺が日本版タランティーノになるとばかりにオフビートな会話がダラダラ続くんですが、やはり日本人独特のテンポ感がかっちりはまってて、私は全然いつまでも観てられる感じでした。こういう笑いを誘う会話ってこれだけの長尺でするのは、やってる方はなかなか怖いと思うんですが、やはり何作も続けてきてもうこの辺は手練の域じゃないかと思うんですよね。ほとんどの邦画作品でうまくいっていない中、稀有なセンスだと思いました。

●ぬいぐるみ同士の痴話喧嘩がこんなに可愛くも醜い展開を迎え、その後ぬいぐるみ通しの2D格闘ゲームバトルに展開するところなんかは、めちゃくちゃ笑ってしまいました(笑)ぬいぐるみならどんな格闘や罵り合いも可愛くみえてしまうのがフレッシュでした!
商店街バイトの流れで言うと、「新しい学校のリーダーズ」のカメオがあってファンとしては嬉しい限り!そして「ビジュ爆発」でインパクトを残した渡辺哲さんの松本さんは、「ある用務員」の流れでおもわず狙撃銃でも持ってくるのかと思いました!

●で、アクションの話をいたしますと、しょっぱなの銀行でのの、事務用品を使ったジャッキーアクションにまず度肝を抜かれます。
もうアクションチームの87イレブン超えちゃってるんじゃないの?って感じです。タランティーノの「デス・プルーフ」オマージュですかね?回転椅子リンチがサイコー!でございました。

●敵チームはこれまた結束が強すぎる兄弟。ウルトラマンジードでおなじみの濱田龍臣さん、こんなに背が高くなってるんですね。そして最強のまひろと対等に戦える俳優、丞威さん。
もう、どっちも応援したくなってしまうくらい愛着がでてくるんですよね。まひろとちさとの絶対的ラスボス感ある二人に、万が一にも勝ててしまうんじゃないか、そう思える説得力がある二人でした。そういう意味でいうと、今作は殺し屋界のスポーツマンムービー。さわやかさと悲しさが同居する、まさか今作でこんなにホロリとさせられるとは思っていませんでした!

●とにかく、ドニーイェンと戦っていた丞威さん、そのドニーイェンが参加するジョン・ウィック新作でスタントダブルをしている伊澤彩織さんの世界級のこの接近ガンアクション&格闘、どんだけ段取りでやっててもちゃんと殺し合いになってるし、なんなら世界を余裕で超えちゃってるやん!って感動してしまいました。本当に世界の人に観てほしいし、なにより庵野監督に観てほしい!(ついでに「バイオレンスアクション」製作陣にも・・・・)観てない人は一作目とあわせて是非 観て笑って感動してください!
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