ぬーこ

風の谷のナウシカのぬーこのレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
5.0
原作・監督・脚本 宮崎駿


あなたの周りにもナウシカは原作漫画が更に凄いんだよ〜と誇らしげに話す人間がいるだろう。かく言う私もその一人だった。

確かに原作漫画7巻のうち映画で描かれる場面は2巻の途中までだ。ナウシカはそののままクシャナに連れて行かれ、腐海の出来た意味、役割の真相と国同士の戦いに巻き込まれていく。だが、原作漫画は映画公開後、宮崎駿が94年に完結させたもの。映画公開時の84年時点では最高のスケールのものではないだろうか。

物語はナウシカが腐海散策をしているところから始まる、大きな芋虫(王蟲)の脱皮後を嬉しそうに物色、マニア気質を彷彿させる。そして、腐海から突如として現れる王蟲の群れ。それをメーヴェと虫笛を活用して凌ぐ、常任離れした彼女。そうナウシカは早くも奇跡を起こすのである。

本作は聖書だ。とも言える。映画を通して超常的な輝きを見せ、混乱した人間たちに光を与える。そして誰にも成し遂げられなかった王蟲らとの和解、死からの復活。
ここに世の男子どもがナウシカに発狂恋慕
する土台が整うのである。
(続く)




2021.129
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