HidekiIshimoto

風の谷のナウシカのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
5.0
ジブリ回顧の〆はやっぱりこれで。軽薄なバブル経済の只中に出現の人類黄昏映画。ジブリが世界の終わりから始まる映画で始まっていたことは改めて感慨深い。人類滅亡のヴィジョンって物悲しくもなんだかホッとするよね、とか思う俺に核ミサイルや殺人ウイルス持たせない方がいいぜ。これ初めて観たのは大学1年の春休み、1か月インドの旅から帰国して赤痢で2週間強制入院させられた暇すぎるベッドの上でだった。アニメ舐めてた俺驚嘆だった。時は流れ、あの頃無惨に貧しかったインドは遠からずGDPで日本を抜くとか。ガンジス川の流れもたえずしてどの文明も春の夜の夢の如しだ。これのほぼ7倍の長さと10倍濃度の原作に描かれた、腐海のさらにほんとの秘密と驚愕の展開はSFというよりは神話の如し。で神話とはジョーゼフ・キャンベルによれば人類の生きる規範。なので長い黄昏の時を生きることになるかもしれない若い方々はナウシカの行動を規範にどうぞ。けどジブリ映画のどれもがまず責任ある大人どもから観て規範にすべき感。けど兵器マニアの宮崎駿が最大の責任と権力を持ってたら人類文明即強制終了な気がする。もちろん巨神兵で。それはそれで見たいかも。