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風の谷のナウシカのなのネタバレレビュー・内容・結末

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃にビデオで見たきりで、正直当時は内容は理解しておらず、ただお気に入りのシーン(結晶となった砂(木?)を割るキーンという音、チコの実を少しずつ食む様子、熱湯から幼い王蟲を守ろうとするナウシカの姿)を反芻しているばかりだったので、今回新鮮な気持ちでストーリーを追うことができた。

幼い当時はとても大人びて見えていたナウシカが実はまだ10代の子どもであったことがすごく心に残った。聡明で周りから慕われているとはいえまだ子どもで、好きに泣いても怒っても良いのに、大人になろうと、みんなのために尽くそうとする姿は美しくも、(彼女にとっては失礼なものいいかもしれないけど)ほんの少し痛々しかった。
アズベルのお母さんに抱きついたシーンは、きっと自身の母の姿とアズベルの母を重ねて見ているんだろうなぁと泣いてしまった。

そう、単純に面白い映画であると同時に、ナウシカは些細なことで涙がにじむ場面がたくさんあった。
ナウシカが腐海の底の清浄な空間で横たわる姿、チコの実を子どもたちから受け取るナウシカの笑顔、ナウシカを逃がそうと奮闘するアズベルの姿、ナウシカの姿をラステルに重ねて見るペジテの少年。
一人一人の過去や葛藤、世界とかの物凄い情報が一本の映画に詰め込まれていて、人の行動や台詞でその深さが見え隠れする。
本当に財産のような映画だった。
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