幽斎

アバウト・ライフ 幸せの選択肢の幽斎のレビュー・感想・評価

3.8
人生の残り時間を意識して迷う熟年カップル、結婚観がすれ違う若いカップルとが織りなす人間模様を描く、コメディコンソーシアム。MOVIX京都で鑑賞。

レビュー少なっ(笑)。私の父親世代ならピンズドな豪華キャストなのに。本作はレジェンドRobert Redfordが監督した「クイズ・ショウ」アカデミー作品賞にノミネートされたMichael Jacobsが、初めて監督に挑戦。脚本も手掛け、人生の瀬戸際に立たされた2組の家族=6人の男女の最悪で最高の選択を描く。貴方に取って最高の人生とは?。

監督の戯曲が原作、ソレを知ったDiane Keatonが作品をサポートする形で豪華スターが集結。ラインナップを見て印象的なのはRichard Gereの「プリティウーマン」Julia Robertsが叔母のEmma Robertsの共演。今では見る影もない(笑)Eric Robertsの娘、GereとDiane Keatonは「ミスター・グッドバーを探して」46年振りの共演。Susan Sarandonは「グッドナイト・ムーン」Julia Robertsと共演。Diane Keatonとは「グリフィン家のウエディングノート」不倫がテーマの作品以来。流石に相関図も凄い。

若いカップルの両親がW不倫に陥るコメディ、元が戯曲なので舞台っぽい感じの台詞回しも多く、ネイティヴの私でも字幕を追うのは疲れる、配信で見る方は吹替えもお勧め。劇場の予告編で両方が会う事は既にネタバレ、本編はソコに至るまでの尺が長いので、途中で下に降りてドリンクを買う余裕が有った(笑)。イイ大人でも、セックス的な欲求が会話で満たされる派、カラダも求めて満足したい派がテレンコ(関西弁?)状態。

「この親にして、この子あり」子供を持つ事で一瞬で人生が終わる価値観のアレンには私は全く共感出来ず、Emma Robertsの覚悟の方に肩入れしたい気分。結婚は自分の親を見て熟成される、アレンの両親は仮面夫婦に見えるので否定的、ミシェルの両親は円満に見えるので肯定的と言う分り易い構図。外面はソウ見えるが本当なのか?。後半のシークエンスで、属性の違いをコミカルに見せる辺りから本番と言える。

【ネタバレ】物語の核心に触れる考察へ移ります。自己責任でご覧下さい【閲覧注意!】

テンプレーションな属性が実はウソ。と言うのがクライマックスですが、前述した通りソコに至るまでが冗長に感じ、ミステリーが専門の私には退屈で時間の経過も長く感じた。戯曲と言うのが映画的にもネックで其々のカップルの顛末と関係性を描き、ソレが全部で幾つも有るので全てを網羅しないと話が進まない。丁寧に段取りを追うのは間違いではないが、映画にはテンポも大事、熟年らしくまだるっこさもMAX!(笑)。

字幕の多さも中々、台詞の数も膨大でソコも映画らしくない。折角、ハリウッドを代表するお歴々が揃ってるので台詞では無く演技で語る手法がスマートに見える。各々がキャラが立ってるので余計にソウ感じる。早い話が監督が役者を活かしきれてない。各人が自分の哲学を語り出す、一言一句を見逃せない展開はオペラは◎、映画は☓。

結婚観の違いが如実に現れるテーマは悪くない。ミシェルは両親が円満と信じてるので、結婚には肯定的で歳を重ねたヴィジョンも有った。アレンは両親が仮面夫婦と知ってるから否定的。彼は愛は何時か冷めて、夫婦のフリをしなければ為らないとブレーキを踏む。キリスト教的には結婚とは「契約」。事実婚じゃダメかしら?(笑)。

事実婚では結婚に付帯する法的なサービスが受けられない。国民民主党が躍進した税金問題も含め、パートナー婚はLGBTQの観点から日本も本気で議論しなければダメ。私はパートナー婚をしても失うモノは何もない、考えに賛成、行政側も時代に合わせる必要が有る。反対する右派は子供が生まれないから国が亡ぶと考える。大前提として国の幸せよりも個人の幸せを優先すべき、議論すらしない日本映画は全くの時代遅れ。

結婚=将来設計の違いも浮き彫りに、子育てに関しても考え方の違いがポジティヴとネガティヴの争いにも見える。アレンは夫婦仲が悪いのは自分が原因と考えるので、ソレが結婚に対する「枷」に感じてる。私の両親に置き換えると、父親は教育至上主義、お陰で国立大学を卒業出来た(笑)。母親は出自が良い方で放任主義、子供は勝手に育つと考えてる。今は親ガチャと言いますが、環境が資質に影響する事は間違いない。

秀逸なのは結婚、子育て、仕事でも同じですが自分の思考回路が満タンに為ると、人は行動に移る事が難しい生き物。EXクリスチャンの私が助言するとしたら理屈ではなく「心の声を聞く」。感情的に為る、とは別モノで心の声を聞くには普段の心構えも必要。ミシェルは自分の心の声に従順、アレンの子供が欲しいターゲットも不動。愛→結婚→子供→幸せと言うゴールに迷いが無いので、幸せの結実と信念に怖いモノがない。

夫婦円満の秘訣って何でしょうね。独身アラサーの私には全く説得力が在りませんが、自分の両親で考えると「お互いが大事にしてる趣味に口を出さない」私の家で言えば「F-1」です(笑)。母親は茶道、華道なのでソレも私が引き継いで学生時代は茶道部でした。後は夫婦でも挨拶は忘れない「おはよう」「いただきます」マスト。人に挨拶して悪い印象を持つ人は居ない、笑顔が夫婦円満の秘訣かと。役割分担も大事で私の父は料理や洗濯は率先してヤル。私も独身が長く為りましたが日々の料理も上手く成りました(笑)。

「嫌いなモノが同じだと長続きしやすい」出逢いがないと嘆いてる貴方こそ必見かも。
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