【赦しと憎しみ、更生と懲罰💐】
TOHO日比谷の特別上映で鑑賞。監督&主演女優の登壇を知らずにチケ買ったので嬉しいサプライズ☺️
🥃テーマ
赦しと憎しみ、更生と懲罰。
自分だったらきっと父親と同じ反応をしちゃうと思う。でもそれはあくまで個人の感情だから、それを持って極刑になるべきだとも思わない。当事者になっちゃうと、きっと冷静な判断は難しいから司法制度があって良かったなと思う。
🥃自分だけの感情
人間は誰かと全く同じ経験を共にすることは不可能なんじゃないかと思ってる。家族で同じ場所に行き、同じものを食べ、同じ経験をしても、それぞれ父であり、母であり、子どもであるため、立場がまるで違う。立場が異なれば集団での役割も違うので同じ経験をしてるとは言い難い。ということを踏まえて、本作で繰り返される『あなたには私の気持ちなんて分からないよ』という突き放しは、手を差し伸べたいと思っている人に対して、とても残酷な仕打ちだなと思った。自分の痛みは自分にしか分からないものだから、自分のチカラで乗り越えて行くしかないんだよね。きっとこの人も承知のうえで発言してるんだろうけど。
🥃裏はなかった
最後にとんでもないどんでん返しが来るのかと期待し、受刑者(元クラスメイト)の行動に何か裏があるんじゃないかと穿った見方をしてしまった。もっと純粋に言葉通り受け止めて鑑賞すれば良かった。間違えた。映画観るの下手すぎる🤦
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📝アフタートークレポ📝
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アンシュル監督と主演の松浦りょうさんが登壇。
そのなかでも印象に残った制作エピソードを紹介します🙌
📝役作りについて
監督から『キミはとても幸せな環境にいる。役作りのために孤独を知ってほしい』とだけ言われ、具体的に何をしたら良いのかの指示はなかった。自分なりに考えて、食事のメニューや1日のタイムスケジュールを刑務所に近づけたり、なるべく似た生活をした。あと人とあまりコミュニケーションを取らないように心がけた。
📝撮り方について
ガラス越し、鏡越しなど、何かを介して人物を描くシーンが多いが、どんな意図があったのか?
⇒がっかりさせてしまったら申し訳なく思うが、特に意識して多様しているわけではない。面会室は人と人との間にガラスがつきものなので、それを使おうというアイディアは元々あったが、それ以外のシーンは特に狙いがあってやったわけではない。
📝ポスタービジュアルの決め手
撮影をしていくなかで、主人公が被害者遺族(父親)に向かって振り向いたシーンを撮りたいと思った。肩の位置やカオの角度にこだわりを持ち、12回くらいテイクくらい撮り直しをした。そのくらいこだわりがあり、かなり好きなシーンでもある。ポスターを決める段階で、配給会社の方とお話をしたときに、ビジュアルインパクトが強いのでこのシーンを採用しましょうという話になった。
📝英題(December)の意味
映画の中では少ししか出てきてないけど、この事件が起こったのが12月なので、そのままDecemberにした。和題のタイトルは、配給の人とお話したときに、内容がわかりやすいタイトルのものにしようという話になり『赦し』にした。
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⚠️この先、ネタバレあります⚠️
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🥃編集の粗さ
電話のシーンなど別撮りしてるカットの繋ぎが粗く、テンポが良くないと感じた。全体的に余韻が欲しいところで、間を作れていない感じがした。もう少し情緒を効かせた編集をして欲しかった。
🥃予告編がうまい
てっきり''被害者が殺される理由が赤裸々に明かされて、被害者両親が逆に追い詰められるベタな展開''かと思ったら、そういう展開ではなかった。被害者から受けた仕打ちは、だいぶ表現としては軽めだったので物足りなかった。あと証言台での発言は、された仕打ちの3割くらいしか伝わらないような詳細と感情を省いたものだったので残念だった。
🥃父親(尚玄)
・小説家のわりに語彙力が少ない
・娘や元妻への執着が怖い
・妻と現旦那の家にアポ無しで行くの怖い
・お前のことは分かってるが口癖(分かってない)
・台詞が棒読みぽくてハマってなかった
・娘がした仕打ちに対して何の反省も謝罪もしていないの大人としてどうかと思う。あれだけ受刑者を責めたのに。フェアじゃない。
・面会室での発言がサイテーすぎた。
…など、父親のキャラクターが苦手すぎてうまく映画にハマれなかった。
🥃母親(MEGUMI)
・娘がクラスメイトに酷い仕打ちをしていたのに、そこには触れずに『私があの日学校に行かせなければ…』と、よく分からない喚きをしていたのでそこ??って思った。娘の冒した罪に全然向き合ってなくて、なんだコイツと思った。
・やましいことなんてない…!!!とガン切れしておいて、めちゃめちゃ浮気してるの怖すぎる。そういう自分都合の言動に娘ちゃんも振り回されてそう。
・でも演技は思ったよりも自然で良かった。これからも色んな作品に出て欲しい。
🥃受刑者の母親
ネグレストしてた無責任な母親が、バックれずに娘のために賠償金を支払うとは思えないんだよなー。あと回想シーンの生活風景から、あの母親に高額な賠償金を払える経済力があるとも思えないのよ。あと責任感じて○○するのも。せめて最期に娘に宛てたお手紙とかあれば別なんだけど。なんかチグハグするんだよね。とってつけたような設定で、奥行きを感じなかった。
🥃最初の裁判
最初の公判で事件の背景を深掘りしなかったのがとても謎。世間から注目された事件なら、こういうときこそワイドショーが囃し立てそうだけど。
🥃精神鑑定
明らかにPTSDでちゃってるじゃん…それを把握しないで精神鑑定ってできるものなの??
🥃その他、いろいろ
・手ぶらで法廷を訪れる夫婦
・少年法で守られずに実刑判決出ることあるんだ?
・相手の弁護士がポンコツ過ぎる。
・受刑者も手首見せたら良かったのに。
・元妻を取り合う展開なんなんだ。
・おいらも朝ごはん作ってもらいたい。
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受刑者は自分の罪を償い、
被害者遺族は娘の罪に向き合い、
お互いが『赦し』を得る。
こういう作品⇧を観たかった…。
期待値を上げすぎたかもしれない🤦
けどテーマ自体は面白かったし、印象に残る作品だったのでこのスコアにしました🙏