友人カップルの彼女（朝霧友香）を横恋慕している恋愛ベタな大学生（益岡徹）が、届かぬ想いを刹那的な強姦行為へと転換させていく。性衝動の波及力をテーマに取っている、日活ロマンポルノ。プロダクション鷹製作。

友人カップルに蔑まれている恋愛弱者の青年が、強姦魔という裏の顔を表出させる。仲代達矢主宰「無名塾」に入る前の益岡徹が、事実上の主人公となる強姦魔の役柄を演じており、早くも名優の片鱗が見えている。

筆者もまた恋愛弱者として学生時代を過ごしたので、当時の自分を剛胆無比にしたような強姦魔のキャラに強く惹き付けられる。怪しい男に尾行されている女性が、ヒト気のないところに移動してしまうのは、一種の様式美として受け入れるべし。

ヒロインが良家のお嬢さんのため、後半からは富裕層の別荘に招待される展開へと突入する。強姦魔の正体に誰も気づかないのは、さすがに無理があるけれども、日活謹製の作品とは異なる、ピンと張り詰めた緊迫感が独特な妙味を生んでいる。

幸せな親子3人がBBQ。ヒロインも愉しそうだ。そこに不穏なタイトルがどぉーん…

金持ちヒロイン（見た目と異なり親の為に処女を守るいたいけだが感度は良好）＆彼氏（何故ヒロインが惹かれているのか疑問）と貧乏貧相な男友達（2人に見下されている主人公）、そしてヒロインの両親、が主要人物。

かなりオーソドックスな展開で退屈…だったが、舞台が別荘に移ってからは予想外の展開で好ましい。

貧相過多で共感は出来ない主人公だけど、他の登場人物もまぁまぁ同情心はわかない設定なので、上手いことやりやがったなあ〜と、後味は悪くなかった。痛快ですらあった。
主人公の存在感の前に女優さんはあまり印象に残らず。
60分ちょい、この長さも心地良い。

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