“本当はドジョウあまり好きじゃないんです”
監督:今泉力哉
主演:真木よう子
ということでどうしても観たかった作品
ちなみに原作についての知識は全くなし
物語はいつもの今泉監督の饒舌な会話は息を潜め、淡々と進みます
…が、一見何を考えているかわからないミステリアスな登場人物たちのアンダーカレント(心の奥底の本心)の動きはとてつもなく饒舌
そしてそれをきちんと感じさせてくれる
真木よう子
井浦新
永山瑛太
リリー・フランキー
の素晴らしい演技と存在感
さらに演出
時折はさまれる主人公が水中に漂うイメージショット
場面転換時の黒味つなぎ
その絶妙なタイミングと間合いは、ともすれば見失いそうになる登場人物たちの心の動きを観るものに考えさせてくれる時間
そして決して多くない細野晴臣の劇伴も彼らの心の動きにリンクしてとても印象的
アンダーカレントに淀んだ思いは時として自分を守るための“嘘”になって水面に現れることもあるけれど、愛する相手のことを理解しようと考え悩み発する場合もあるハズ
そんなことを大事に、そして忘れてはいけないことだと考えさせてくれる作品でした
たとえそれが“嘘”と言われても…
p.s.
主人公が水中に漂うショットやポスターを見て真っ先に浮かぶのはビル・エバンスのアルバムジャケットですが、と同時に真木よう子がオフィーリアのイメージとも重なり…
永山瑛太はハムレットのイメージとは程遠かったですが😅