銭湯を経営しているかなえの元に、堀という人間が働かせてほしいとやってくる。
自分のことを話さない堀だが、かなえの方も夫が失踪したという過去がある。
一歩間違えればサスペンスにでもなりそうな設定だが、そこは今泉監督作。
声を荒げるようなことはなく、淡々と過去を話していく。
探偵を使って夫を探すのだが、演じるリリー・フランキーが登場時からコミカルな部分を受け持つ。
遊園地のアトラクションをわざわざ乗らせるだとか、やり取りが楽しい。
そこでコミック原作のためか、突然スリルのある場面が出る。
この不穏な感情が夫との対峙であり、堀の告白に至るまでの流れ。
ラストシーンの先に見えるもの。
あの距離感を埋めていく未来は時間は掛かっても明るくなるのだろうか。