伊東蒼が好きなのでかなり期待してたんだけど、正直期待は上回らなかった。全体的にセリフが多くてわざとらしく感じたけど、それでも伊東蒼の演技は相変わらず良かった。かなり展開が盛り沢山だけど、物語の軸がぼやけてて、複数の事柄やキャラが渋滞している。「無限の民」や官房長官という悪役の存在に時間を使ってしまってゆきちゃんを止めるという一番の目的のシーンを軽くし過ぎな気がする。全体として人間の醜さを描きつつ「果たして救うべき世界なのか」みたいなSF鉄板の皮肉要素も感じたけど、それも終盤まで膨らませ続けて上手く回収されてないストーリーによって感情が入り切らず、全体像としてボヤけているように感じた。 夏木マリ演じる輪廻師のキャラが見た目含めて「千と千尋の神隠し」の湯婆婆に酷似してるだけでなく、最後の家族で車に乗ってるシーンや、白髪の青年、音楽など、全体的な世界観が千と千尋に影響を受けてると思う。ラストの収まり方はわりと好きだし、伊東蒼の演技によって持ち直してる感じはあった。防衛省の江崎や友達のタケルも良いキャラ。ただ、ハナが民衆に囲まれるシーンなどリアリティーが欠けていたし、アクションシーンは丸々カット。未来から来るソラも重要な割には他で展開しすぎて突如畳みにいった演出。終末系SFのわりには緊迫感が無くてチープさを感じてしまった。
