三樹夫

バレリーナの三樹夫のレビュー・感想・評価

バレリーナ(2023年製作の映画)
3.5
コンビニ店員が先に会計済ましてくださいと当り前のこと言ったらチンピラにボコボコにされる北斗の拳みたいな治安のネオンビカビカの韓国のどこか。そこにさっそうと現れたバトルマシーンという21世紀韓国救世主伝説。

『ジョン・ウィック』と『イコライザー』の韓国版と言ったところで、舐めてた相手がバトルマシーンで敵を皆殺しにしていく。親友の復讐という、何かしらの理由で敵組織を壊滅させるのと、やたらネオンビカビカ、ネオンがなくてもやたらビカビカというので『ジョン・ウィック』の方に軸足は置いているか。フェミニズム救世主というので、アメリカの街の救世主マッコールさんと被る部分もある。アクションはボーンシリーズの現代版と言ったところで、カメラ動かしまくってもの凄い細かいカット割りだが、ガンフーを意識しているようにも見えた。
本編約90分と短いがずっと戦っているわけではなく、どれだけ親友が大切な存在だったかという回想も多く、リリカルな印象を持つ映画となっている。
漫画かみたいなところがあって、復讐相手の家に忍び込んだらSMグッズが大量に出てきたのはBGMの大仰さも込みで笑った。ラブホでも律義にSMグッズ持ち込んでるし、漫画かみたいなキャラ設定だ。SM拷問マン、銃マン、チェンソーマンと訳の分からん敵が襲ってくるのも漫画チックである。

昏睡レイプを撮影されて脅された親友の復讐で、さらに同じ手口で被害にあっている女性すべてを背負っての復讐となる。『バービー』でもそうだったが馬が男性性を表しており、敵側には男の嫌な感じが漂う。どいつもこいつも俺たち殺されるほど悪いことしてる?と、薄汚ねぇ口閉じてろこれでくらえとバケモンみたいな火炎放射器が怒りの強さを表している。殺されるほどのことしてるんだよクズ野郎。お前らとはもう話す口を持たん死ねという怒りのボルテージぶち上げの主人公。ボロボロになりながらも戦う様に応援する。
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